知っておきたい身体の変化
誰しも歳を重ねると、身体にさまざまな変化が現れます。
身体の変化は単なる老化にとどまらず、時には重大な病気につながるケースも・・・。
ふだんから体調管理に気をつけ、年に1度は専門機関による検査をおすすめします。
50歳以上女性の4人に1人が骨粗しょう症
日本骨代謝学会によると、女性の場合、骨密度(骨量)が若年者(20〜44歳)平均の70%未満は骨粗しょう症としています。これをもとに作成されたガイドライン(※)では、50歳以上女性の24%、つまり4人に1人が骨粗しょう症であり、全国には推測で約1100万人の患者がいると報告しています。また60歳以上の女性では2人に1人が骨粗しょう症というデータもあります。今後ますます高齢化が進むことを考えると、今は健康でも、女性はすべて骨粗しょう症予備軍といえるでしょう。
骨粗しょう症は加齢現象ではなく病気
骨粗しょう症とは、骨の量が減少してスカスカにもろくなり、骨折しやすくなる病気です。以前は骨が弱くなるのは加齢現象のひとつとされていましたが、高齢化と共に、骨折や転倒がきっかけで介護が必要となるケースが増え、90年代に入って骨粗しょう症は病気として深刻に受けとめられるようになりました。
放っておくと背骨がつぶれ命に関わるケースも…
骨粗しょう症が進行すると、わずかな力が身体に加わっただけで骨折するケースがよく見られます。なかでも折れやすいのが背骨。その多くは、スカスカになった骨がじわじわと押しつぶされていく無痛性圧迫骨折で、痛みを感じないため本人はまったく気づきません。しかし放っておくと背骨はどんどんつぶれていき、背が縮んだり背中が曲がっていきます。
ある調査によると、50歳以上の女性が生きている間に背骨を骨折する可能性は37%と、驚くべき数字をはじき出しています。しかも恐ろしいのは、背骨が曲がると肺や内臓を圧迫して機能を低下させたり、心筋梗塞などを起こしやすくなると警鐘を鳴らす専門家もいるほどです。
50歳を過ぎたら骨量の減少スピードを把握したい
女性は、更年期になって閉経を迎えると女性ホルモンの分泌が急激に減ってしまうため、骨代謝のバランスが崩れ、骨からカルシウムが溶け出して骨粗しょう症にかかりやすくなります。50歳を過ぎたら、エックス線写真や骨密度測定で骨を検査することをおすすめします。最近は「骨代謝マーカー」といって、今後どれくらいのスピードで骨量が減るか予測することも可能になりました。大切なのは、今の骨量を知ること以上に、今後どうなるか。それによって予防や治療もしやすくなるのです。
50代以降、急激に減る骨量
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